#15 この世の中から戦争なんてなくなればいいのに
正午。
戦いの火蓋が切って落とされた。
世は戦国。
白いコートをまとった軍隊と、それに襲いかかる茶色の溶岩。
軍隊の数、およそ10000と言ったところか。「ああ、誇り高き我が軍よ」と言わんばかりに光り輝いている。
その軍隊を飲み込まんとする熱々と沸き立つ溶岩。
今まで幾度となく繰り広げられてきた両者の戦い。
僕の使命は、この戦いを完全なる引き分けで終わらせることである。
今日は、溶岩に勢いがある。
目を離した隙に、白き軍隊の領土がみるみるうちに狭くなっていく。
しかし、この戦いを茶色の溶岩の圧倒的勝利で終わらせてはならない。溶岩だけが残る世界というのはなんとも寂しい。いとすごしと言ったところだ。
僕はついに禁断の手を使うことを決めた。
溶岩を殲滅することに決めたのだ。ひとすくい、またひとすくい、溶岩が減っていく。
白と茶の力が拮抗していく。
そしてついに、両者は同じ瞬間にいなくなった。
世界に調和が訪れたのである。
一仕事終えた僕は、ひとことこう呟いた。
「ごちそうさまでした。」
それはそうと、
カレーはルーと米を同時に食い終わるのが難しい。